2-2.ブロック法 Block

ブロック法の特徴

現代は大量のデータを短時間で処理することが求められます。今まで東京ドームの愛称「ビッグエッグ」、郵便小包「ゆうパック」、建築用品の会社名「トステム」など、200以上を開発しましたてきましたが、これらネーミングの発想では1回の会議で1000以上のアイデアを出すことも珍しくありません。

このようなケースに、発散技法で出した大量データを短時間で素早くまとめるための技法として私が考えたのが「ブロック法」です。

ブロック法とは、データ群を大づかみの「区画(ブロック)」にまとめるという意味から名づけました。

ブロック法は、基本的には6名程度の小集団で実施します。このメンバー全員が効率よく参加し、大量のデータを素早くまとめることができるのが、ブロック法の特徴です。なぜなら、たとえ大量のデータでも、ブロック法ではまず各人がカードを分担してまとめ、それをチームで一挙に集約するというやり方をとるからです。

 

ブロック法の進め方

ブロック法は以下のように進めていきます。

(1) 司会者を決め、メンバーは4~6名程度にする

(2) アイデアを発想する

カードBS法やカードBW法などで、カードにアイデアを書き出す。

(3) 記入されたカードを各人に均等に配分する

(4) 各自手持ちカードを、内容が似たもので集める(B4用紙に貼る)

(5) A3用紙を4~5枚、机上に並べる

(6) 順番に1群ずつカード群を出し,机上のA3用紙に貼る

司会者の右隣の人から、手持ちの全カードの中から1つの群を読み上げて机上のA3用紙に貼っていく。

(7) カード群を1つの項目にまとめる

他のメンバーは、そのカード群と同一内容のカードがあれば読み上げて真ん中に出し、A3用紙にまとめて貼る。

(8) まとまったカード群に項目名をつける

そのカード群を出した人が中心になり、カード群の項目名を考えて別色のカードに書き、カード群の上に貼る。

(9) 次の人が手持ちのカード群を1つ読み上げてA3用紙に貼る

(10) 以下、同様にしてすべてのカードがまとまるまで続ける

(11) すべてのカードをA3用紙に整理して貼る

なお、カードのまとめは1項目当たり10枚以内とします。そして「その他」の項目もつくり、それまでまとめきれなかったカードを「その他」にまとめます。

 

ブロック法の活用法

このようにブロック法を使えば、800個程度のデータでも、慣れてしまえば4~6人のメンバーで、30分もあればまとまってしまいます。

ネーミング開発では1000アイデアを出して、使えるのが3つくらいしかないというケースは珍しくありません。ですから、このような大量のアイデア整理法が必要なのです。

ブロック法は、商品開発のアイデアをまとめる時にもよく使います。また、アンケート調査で大勢の人の自由回答をまとめるのにも利用できます。このように現代のビジネスでは、大量のアイデアをまとめる場面が多くあります。ブロック法はそのための最適な技法です。